コロナ禍をきっかけに家族葬で葬儀を済ますご家庭が増えてきたと言われています。しかし葬儀の規模が小さくなったといっても葬儀費用が比例して少なくなるわけではありません。そんな時に故人の預金が葬儀費用に使えたらいいなと考えるかもしれません。しかし金融機関は口座名義人が亡くなったことを知ると預金口座を凍結してしまいます。遺産分割協議の前に故人の預金の払戻しは可能でしょうか。
遺産分割前の相続預金の払戻し制度
2019年の民法改正で施行された「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を使って払戻しが可能です。制度の概要は以下の通りです。
払戻しを受けられる金額=相続開始時預金額×1 / 3×払戻しを受ける相続人の法定相続割合
※同一の金融機関から払戻し可能な上限額は相続人一人あたり150万円です。
必要書類
① 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
② 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
③ 預金の払戻しを希望される方の印鑑証明書
以上 一般社団法人 全国銀行協会 HPより
まとめ
遺産分割前の相続預金の払戻し制度により遺族の金銭的負担が軽減されることが期待されます。しかし制度の利用のためには用意しなければならない書類が多く全てを早急に集めるのことは容易ではないことが予想されます。
相続手続きは多くの時間と労力が必要です。相続手続きでお困りのことがあったら相続の専門家に相談することをおすすめします。
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